算数について公文・百ます計算をさせないことに決めたのですが、それではどのようにして算数を教えたらよいのかが迷走し始めて、算数教室の先生の本を読み漁り始めました。 前回取り上げたのは、小3までに育てたい算数脳でした。
今回読んだのは、朝倉算数教室の朝倉仁先生の「秘伝算数ができる子になる」を読みました。朝倉仁先生は、灘中学受験で有名な浜学園の算数教師のトップ講師だった先生です。現在は朝倉算数道場を主催されています。
朝倉算数道場は以下のURLです。
秘伝算数ができる子になるの目次
- ふつうの子が算数オリンピックで金メダル?!
- 算数を大好きにさせる仕掛け
- 分かれ目になる瞬間
- 一流の算数解法とは?!
- わが子の能力を伸ばしたいママへ
- 賢い塾の選び方と使い方
- 大事なのは子どもの「こころ」の動き
内容
算数を好きにする仕掛け
- 自主的に自分のことを自分でするようになると、勉強を自分でするようになる。
- 親が横について教えられるのは4年生まで。5年生以降は親が教えられなくなるので成績が落ちてしまう。
- 算数ができるというのは頭の良さの指標。難関中学における算数の合格者平均点と受験者平均点の差は20点ぐらい。他の科目の差は5点ぐらい。算数が得意であれば他の科目は受験者平均点であっても、20点以上の差を付けることができる。
算数の得意な子にするには
- 立体図形が得意な子は、小さい頃からブロックやプラモデルでしっかり遊んでいる。
- 数の感覚や推理の感覚を養うには、カードゲーム(7並べやばば抜き)がよい。アルゴもおすすめ。
- ボーネルンドの知育玩具。
- 低学年の間は、簡単な算数ドリルで十分。難しい問題も全て解かせようとしない。頭の柔軟な整数、小数、分数の四則計算ができるようなればよい。
- 3年生は図形の名前が言えればよい。名前を言えるようになったら、定規を使わずに、正三角形、正方形、円、立方体の図形を書かせる訓練をする。
分かれ目になる瞬間
計算ミスを無くしたい
ミスのよくあるパターン。
- 足し算の繰り上がり、引き算の繰り下がりを間違う。
- 足し算を間違う。
- 引き算を間違う。
- 九九を間違う。
- その他の計算ミス。
計算ミスを減らす計算方法の工夫
計算を工夫すると計算が簡単にならないか工夫してみる。
- 8*8*3.14*6*6*3.14=(64+36)*3.14
- 18*45=9*90
※18を2分の1して、45を2倍すると、簡単になる。 - 199*8=(200−1)*8=1600−8
計算の強い子にするには日々の計算練習
- 毎日定時に短い時間(10分程度)で計算練習をさせる。
- 答え直しでは無く、ミスした部分を探させる。
- 時間を計って何分・何秒でできたという達成感を与える。
計算練習が必要とは意外でした。百ます計算や公文式を否定する記述がでてきましたので計算練習不要論を採っているのかと思っていました。しかし、何事でも最低限の基本の練習は必要不可欠。計算練習だけを行うメソッドを否定しても、計算練習が不要ではないということなのですね。
分数は割合
分数を説明するのに、量(長さや重さ)と割合を区別して説明していない。
円周の長さと円の面積
教科書に載っているショートケーキのような図は小学生にはわかりにくい。正方形と円を組み合わせた図形が解りやすい。
図形と模様
平面図形を習い始めたら、するべきことは以下の3つ。
- 直線を描けるようになること
- 正三角形を描けるようになること
- 円を描けるようになること
図形問題は、上記のような基本的な図形の組み合わせが多い。
割り算と余り
アバカスや百田玉そろばんでイメージすると解りやすい。
お小遣いと計算
1224−198という計算は、お小遣いで考えて見ると解りやすい。200円払っておつりが2円だから、200を引いて、2を足すことと同じと解る。筆算をすると繰り下がりで大変。計算に強い子を育てたいのなら、小遣いを渡して買い物をさせた方が計算に強い子になる。
比と割合
割合を習うと出てくる「もとの量」「割合」「割合にあたる量」は子どもを混乱させるだけなので、忘れてしまう。割合が出てくる先に比を教えておけば、割合で躓くことはなくなる。
トップクラスの子はどのような勉強をしてきたのか
- 本人が望むことをそのときにやらせることができる子をもっと伸ばす最善の方法。
- 自主的に勉強する子にするためには、好きにさせること。
- 算数を得意にするには、数に対する感覚と図形に関する感覚を養う。
- 数に対する感覚を養うには、お買い物、百田玉そろばん、アルゴ。
- 図形に対する感覚を養うには、ピタゴラスプレート、スーパーマグ、マグフォーマー。
- 最後は成功体験をヒントにした「こころ」の動きで人間の行動が決まるから、算数の成功体験を積み重ねていく。
まとめ・感想
好きこそものの上手なれ。算数を得意にするには、算数が好き、数感・量感・図形を遊びの中で体得させる必要があるということでしょうか。その具体的な方法について詳細に示されていません。後は自分の教室に通って欲しいということでしょうか。
教室に通わせることができない我が家では、本で紹介されたおもちゃ等を使って数感・量感・図形感覚を学ばせる必要があります。しかし、文系の私には何となくしか解らず、具体的に進める方法が解りません。この具体的な方法を示してくれたのがピグマリオン教室の伊藤先生だったので、我が家はピグマリオン教室の教材でプレ算数教育をすることにしました。
「小3までに育てたい算数脳」でも推薦されていたアルゴが推薦されています。友人のお子さんがアルゴの全国大会で優勝されたそうなので、詳しいことを聞いてみようと思います。
朝倉先生の最新刊として、「ラクして笑って灘、開成ー算数の神様、手抜き中学の受験のススメ」が発刊されています。