息子は公文教室には通わせない。それではどうやって算数を教えたらよいのか。悩んだらその道の達人に聞け。著名な算数教室の先生の著作を読み漁っています。
前回まではこちら。
今回は、宮本算数道場の宮本哲也先生の本を取り上げます。
内容
暗記力は考える力ではない
小学校のテストは書いてある手順であれば解ける問題であって子供に暗記する力があり計算ミスさえしなければ満点が取れる。考える力があるかどうかは、小学校のテストでは判断判断ががつかない。
きれいにノートを取っていても、教師は黒板に書いたことを綺麗に書き写しているだけということが多く教師の指示通りに書けば、何も考えずに授業を聞いていてもきちんと理解できているようなノートが出来上がる。
塾に行くとたくさんの問題を解いてパターンをすっかり覚えてしまう多くのパターンを覚えることで多くの問題を売短時間でこなすことができるようになるけれども、暗記しているだけ。
これらの子供は難しい問題でも、自分の力で問題を解くという発想がなく、ちょっと考えてわからなかったらすぐに解説を見て、問題を解く手順を覚えようとする。
計算問題をたくさんやらせても、子供にとって計算問題は楽しいものではない。苦痛と言っていい。
算数の目的は考えること
算数を学ぶ目的が100点を取ることなら、答えまでの手順をどんどん暗記した方がいい。しかし、そんなやり方で問題をたくさん解いても、算数が楽しくなることはない。
算数で考える力を伸ばしておけば、国語をはじめとする他の教科でも生かすことができる。
算数にも音読と辞書引きを
算数の問題でもなるべく音読させた方がいい。
文章題は最後まで問題を読まなかったり、読み飛ばしたりしたことが原因で間違ってしまうこともある。文章が長くて難しそうに見える問題も、音読すると落ち着いて取り組むことができる。
速さの単元では、道のりという言葉が出てくる。道のりは道に沿った長さ、距離は2点を結んだ直線の長さ。しかし算数では道のりと距離は同じ意味として使われている場合が多い。
1 mm の1000倍は何メートルですかという質問に反射的に1 m と答えられるのは、ミリは、ラテン語の1000に由来し、センチメートルはラテン語の100に由来する、ということを知ってれば、反射的に計算することなく答えることができる。
手を使って数えることを大切に
手を使って物を数えるということは数の概念を理解するために必要不可欠である。足し算引き算はなどの道具を使って一つ二つ三つと数を声に出しながら数えることがとても大切。
家にあるマッチや爪楊枝、小豆、貯金箱の小銭などは数える練習に最適な道具である。
物を数えることに慣れてきたら絵で表したものを数える。
普通の計算よりも穴あき算
穴あき算はパズルのようで子供が楽しめる。同じことの繰り返しになってしまう計算ドリルと違い、穴あき算では推測して頭を使うため遊びとして楽しめる。穴あき算ででなかなか答えが出せない場合には、おはじきを使ってみればアドバイスをしてもいいがそれ以上のことを教える必要はない。子供が答えを見つけるまで放っておく。遊びとしてやるのでおはじきで子供が本格的に遊び出しても構わない。
かけ算は足し算から
九九覚えていると掛け算を早くできるけれども九九の暗記はそれほど重要ではなく、暗記にかける時間の一部を掛け算を足し算にする学習に使ったほうが有意義。
算数を苦手にする言葉
- こうすればいいのよ
- どうしてこんなに時間がかかるの
- こんな計算ミスをしてはだめでしょう
考える力を伸ばす親子の会話
口数の少ない子供よりも、おしゃべりな子どもの方が国語は得意。口数の少ない子どもは親が先取りして結論を話してしまっている。
親に「どうして?」と問われ、 「だって・・・だから」と答えるのは論理的説明の出発点。ごく普通の会話でも、子ども自身に希望と理由を言わせることで論理的思考力を育てていくことができる。
まとめ・感想
国語の伸ばし方はいまいちはっきりしていません。算数で鍛えた論理的な思考があれば、国語の論理的な読解は難しくないというものでした。わざわざ算数と国語を同時に伸ばす方法と銘打たなくても、よいのではないかと思います。
しかし、算数の伸ばし方が非常に良く分かる内容でしたので、宮本先生の他の著作を読んでみようと思っております。